都心型老人保健施設と有料老人ホームの合築
上尾中央医科グループが、移転したグループ傘下の病院である船橋総合病院の跡地へ新たに新設した、介護老人保健施設と介護付き有料老人ホームの複合施設。
JR船橋駅、京成線形成船橋駅に近く、JRと京成線に挟まれた視認性の良い敷地に計画をするということもあり、施設経営に貢献できるコマーシャルな外観デザインを心掛け計画を行った。
外壁の仕上材や建具は当然のことながら塗装を主体とした仕様及び一般サッシとなっているので、メリハリの利いたカラーリング、奥行感のでた特徴的ストライプ模様のバルコニー手摺、建具廻りのデコレーション等を全体的に用いて外観を演出し、全体としての統一感、グレード感を与える計画とした。インテリアにおいても考え方は同様で、壁紙や合成樹脂エマルションペイント塗り、ビニル床シート、不燃積層せっこうボードといった一般的な内装仕上材を用いつつも、メリハリの利いたカラーリングやテクスチャー感のある仕上材の選択を心掛け、利用される方々が落ち着いて明るく過ごせる質の高い療養環境の提供を目指した。
昨今の急激な建設費高騰は、介護老人保健施設の経営そのものを圧迫する大きな要因の一つになっており、特に東京を中心とした首都圏等の地価が高額な地域を見ると、事業そのものが成立しないのではないかと思うほどの凄まじい状況である。そのような状況の中で今回計画のようなコストバランスを意識したデザインは、介護老人保健施設をはじめとする同種の福祉施設設計において、今後スタンダードとすべき最も重要な設計手法となっていくように思う。
所在地 | 千葉県 |
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構造 | RC造 |
階数 | 4/0 |
延床面積 | 6,314m² |
竣工年 | 2015年 |
備考 | 老人保健施設100床、有料老人ホーム29床 |