町民に親しまれる病院をめざして
葛巻町は岩手県北の中心に位置し、面積の86%が森林の林業と酪農の町である。旧病院は町の中心地にあり、隣接する町役場とともに町民生活の核となっていた。新病院の建替え地は旧病院の隣地とし、憩いの場を備え、かつ町の資源を最大限に活用した「町民に親しまれる病院」をめざした。新病院は周辺地区の医療体制から5科(内科・外科・産婦人科・小児科・眼科)を維持し、病床の適正化により60床とした。設計では感染症に配慮した動線計画やバリアフリー化など「安心できる医療サービスの提供」、地域産材を有効活用した内装デザインで「安らぎとくつろぎのある空間づくり」、町民が集える地域開放スペース、地元の漆芸家のギャラリー、足湯、など「町民が集え、誇れる病院」を目標とした。積雪が深く厳しい気象環境に配慮した開口部の納まりや勾配屋根の採用とともに氷柱対策を行った。また西向きの居室へは環境改善を図る外壁ルーバーを設置した。外観のデザインでは、町内の公共施設で採用されている特色あるポイントカラーを用いた。併設施設として、地域産材の木質チップ(木質ペレット)を活用した熱源施設を導入したエネルギー設備棟を設け、地域産業の発展に寄与している。
所在地 |
岩手県 |
構造 |
RC造 一部S造 |
階数 |
4/0 |
延床面積 |
5,961m² |
竣工年 |
2017年 |
備考 |
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