作品紹介

地域医療の連携拠点となるマイタウンホスピタル

さくらがわ地域医療センターは、桜川市と筑西市にある既存病院を再編統合する一環で計画された。院内に健診センター、訪問看護ステーションを併設し、1次救急も行う幅広いサービスを提供する。来院しやすく地域に馴染む建築計画とデザインが求められた。建物の遠景は筑波山のなだらかな稜線をイメージしている。真壁地域の伝統の「藍染め」をテーマにして、色合いの異なる藍色のタイルを1枚1枚貼り、親しみのある外壁をデザインした。正面のファサードには特産の「稲田石」を使用し地域に根差す病院のデザインとした。来院者の車利用が一般化しており、入口の車寄せはピロティーとするとともに、スリムな大庇につなげて身障者用駐車場と入口を安全につないだ。入口を入るとエントランスホールは、正面の壁を特産「真壁石」とし、折上光天井をランダムにデザインして来院者を迎え入れる明るい空間にした。1階の外来部門では、ホスピタルストリートの各ブロック受付を雁行させて、奥のサインがわかりやすいユニバーサルデザインとした。2階は一般病棟であるが手術室を設け、3階の療養病棟にはリハビリ室を設けるなど、関連性の高い部門を同じフロアに配置して、患者とスタッフが共に使いやすい建築計画としている。