八重山ならではの風土と環境共生に配慮した日本最南西端の総合病院
沖縄県立八重山病院は、日本最南西端の石垣島、西表島から波照間島、与那国島などの八重山諸島(八重山保健医療圏)における急性期医療の中核病院として、一般医療はもとより、救急医療、小児医療、周産期医療などの政策医療において重要な機能・役割を担っている。
計画では、石垣島特有の強い日差し、猛烈な台風、塩害や湿度対策など基本性能の充実を図ると共に、地域性に配慮し、利用者に優しい計画と八重山らしいデザインを展開した。
外装は、赤瓦を模した湿式タイルと、広く青い空に生える白色モザイクタイル、劣化・退色を抑えメンテナンス頻度を少なくするためのシリカ入りコンクリート打ち放し壁の構成。日射避けのルーバーや開口面積を絞った窓デザイン、日差し・風除けの大きな車寄せ庇(ヒンプンをイメージ)など機能とデザインの融合を図った。
インテリアでは、琉球石灰岩や、コーラル紛を含んだ塗り壁などに加え、八重山のみんさー織を用いたタペストリーやガラス加工間仕切り壁などの装飾を展開し、八重山らしさを演出した。2~4階の病棟は、フロア全体を広く見渡せることに加え、西日を避ける配置とするため、1フロア2看護単位の三角形形状とした。その斜辺の病室は、柱位置を調整し、放射状のベッドレイアウトとすることで見守りやすく、個人スペースが広くとれる特徴的な病室となっている。また、眺望の良い最上階には、スタッフスペースを設けるなど、働きやすい環境にも配慮した。
柱・梁は、プレキャストプレストレスト構造とし、離島の人出不足と工期短縮を図ると共に、12.8mの大スパンにより、自由度のある平面と、将来の機能更新が容易な計画としている。
所在地 | 沖縄県 |
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構造 | RC(PCa-PC)造 |
階数 | 5/0 |
延床面積 | 23,479m² |
竣工年 | 2018年 |
備考 |