介護と看護、福祉と医療が連携し、まちをとりこみ開かれた特別養護老人ホーム
荻窪のにぎやかな商店街を通り抜けた先の特別養護老人ホームである。建物のデザインコンセプトは、街並みの雰囲気を取りこみ「レトロモダン」とした。柔らかな木の曲線の大庇が、外部空間を包み込み、その上の広いテラスには、入居者と家族のアクティビティを促す菜園プランターやベンチを設置した。内部空間では「暮しの手帖」初代編集長の花森安治さんのデザインを、アートやサインとして各所に設置し、昔を懐かしみ楽しめる空間とした。地域交流スペースや認知症カフェは、敷地角のポケットパークと一体となり、街並みの連続感と、気軽に立寄られる雰囲気を創り出した。特別養護老人ホームでありながら在宅や医療に配慮し、 1階ファミリールームは家族との宿泊ができ、看取りも支える場とした。2階には在宅支援のショートステイを設置した。各階は医療配慮の見守り窓のあるユニットとし、夜間介護を考慮した隣接配置とした。各ユニットの居室は落ち着いた生活の場、また共同生活室は明るく開放的な場とし、談話コーナーを随所に設けている。診療所と訪問看護ステーションは、隣接配置とし地域利用にも開放した。介護と看護、福祉と医療が連携し、緩やかに分節した建物配置とすることで、様々な利用者が一緒に過ごせる特別養護老人ホームとした。
所在地 |
東京都 |
構造 |
RC一部S造 |
階数 |
6/1 |
延床面積 |
11,284m² |
竣工年 |
2021年 |
備考 |
第56回SDA賞入選 |