姫路の町に溶け込む素材感を活かした素朴な建築
城南病院はリハビリテーションおよび健診センターを強化して、新たにサービス付き高齢者向け住宅を併設し、医療・介護のトータルサーポート施設として移転新築した。敷地は姫路城を目の前にした国道2号線(中濠通り)と、江戸時代のメインストリートである中ノ門筋に面し、「お夏清十郎物語」の主人公であるお夏の生家が敷地向かいにあったという歴史的な場所である。建物は世界遺産である姫路城の景観と、町に溶け込む「素材感を活かした素朴な建築」をデザインコンセプトとした。外壁はベニヤ板の裏面を型枠にしたコンクリート打放し仕上げとし、何十年も前からそこにあったかのような、素朴な表情を創り出している。中濠通り沿いにはリハビリテラスや健診センターの2層吹抜の大開口を設置し、兵庫県産のヒノキ材を用いた壁やサッシを中濠通りの歩行空間から望むことができる。夜には内部の灯がやわらかく町を照らし、町に親しみと潤いをもたらす。また、植栽の縁石には姫路城の石垣の竜山石(宝殿石)を採用した。姫路城を絵画のように見せるピクチャーウィンドウや石垣の連続性を感じる横長窓など、姫路の歴史とまちを感じる計画とした。
所在地 |
兵庫県 |
構造 |
RC |
階数 |
6/0 |
延床面積 |
3,739m² |
竣工年 |
2021年 |
備考 |
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